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>>刑務官とは? |
「モリのアサガオ」のあらすじ
大学卒業後、大阪市根古田区・なにわ拘置所の処遇部門に配属された、新人刑務官・及川直樹。
刑務所での研修を終えたばかりなのに、いきなり死刑囚舎房に回されてしまう。
研修中、いつか社会復帰できる懲役囚にさえ手こずらされた直樹は、もっと悪質な犯罪者を相手にすることになり、気が滅入り逃げ出したくなるが、父の顔に泥を塗るわけにはいかないと歯を食いしばる。
直樹の父は、元拘置所長でキャリア組。
父のコネで刑務官になったため、直樹のことを悪く言う先輩刑務官もいた。
拘置所には、裁判の後に刑が確定されていない者と、死刑確定囚が収容されている。
直樹が配属された拘置所には、21人もの死刑確定囚がいた。
全員が殺人を犯した犯罪者。
そんな凶悪犯を管理するのが、刑務官としての直樹の仕事だった。
死刑執行は、朝の9時から10時の間に行われ、死刑確定囚は、当日予告なく連れて行かれる。
死刑確定囚たちはその時間を「魔の時間」と呼び、恐れている。
刑務官は、できるだけ死刑確定囚を怖がらせないよう、巡回の靴音にさえ気を使わなければならない。
全員が殺人を犯した死刑確定囚とは言え、それぞれ全く違う態度で日々を過ごしていた。
仏の貼り絵をしながら、いつか必ずくる死に怯えている世古、
わがままを言い放題で刑務官を困らせてばかりの深堀、
自分の罪を反省しているようには見えない石峰、
被害者家族にお詫びの手紙を書き続ける香西など。
直樹は、深堀に、「自分がよく知っていた山本に似ている」と言われる。
死刑執行はいつも午前に終わるため、「朝早く咲いて昼までにくたばるアサガオと一緒だ」と死刑確定囚の一人、石峰けいは言う。
一時は世間を騒がせた犯罪者も、死刑確定後は、何を考えてどんな生活を送っているのか、外部には一切知らされていない。
死刑確定囚は二度と外には出られないけれど、思っていたよりも自由な生活を送っていたことに直樹は愕然とする。
刑務官という自分の立場を受け入れながらも、死刑確定囚は何を考え最期のときを過ごすのか、一体何が正しいのか、直樹は分からずにいた。
拘置所は町の中にあるのに、光が届かない深い森の中に迷い込んだようだった。
ある日、直樹の働く拘置所に、渡瀬満(みつる)が入所してきた。
満は、少年時代、一人の男によって、両親を殺され、夢見ていたプロ野球選手への道も閉ざされた。
そして犯人が出所するのを待ち、満は復讐をした。
直樹は、自分と共通点が多い満のことを人事だとは思えなかった。
誕生日も近く、同い歳。
直樹も満も10歳で野球を始めた。
直樹は満と向き合い、8年間という長い月日をかけて理解しあえたと感じていた。
だけど、そのたった一人の心を許せた親友でさえ、自分の手で葬らなければならない日が来る・・・。
郷田マモラの「モリのアサガオ」は、死刑という重いテーマを扱っている。
黒く塗りつぶされた目のイラストで、最初は少し怖い印象を受けるけれど、読み続けるうちに、人間の心の奥の声、魂の声が伝わってくる絵だよ。
有名な監察医の漫画「きらきらひかる」の著者でもある郷田マモラは、死刑囚の話を描くには、死刑制度に賛成か反対かを明確にしておかないとストーリーが変わってくる、と死刑に関する本をたくさん読んだ。
それでも結局答えは出なかった。
だからその「わからない」という思いを主人公の直樹に託して、漫画を描きながら「死刑」について考えることにしたと。
人の命を奪うことは決して許されることではないけれど、罪を犯した者にも人生がある。
一見、平和で裕福な日本でも、苦しい生活、つらい思いをしながら生きている人も少なくない。
誰もが生活に困らず、幸せな日々が送れるようになれば、犯罪が起こりにくい世の中になるんじゃないか、と考えさせられる漫画だよ。
刑務官の職業漫画「モリのアサガオ」について語る!
「モリのアサガオ」を読んで刑務官になった人、
刑務官を目指している人のコメントも待ってるね♪