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>>介護福祉士とは? |
「ヘルプマン!」のあらすじ
短気で落ち着きがないが前向きな性格の恩田百太郎(おんだ・ももたろう)、悪ぶっているのに頭が良くクールでモテる神埼仁(かんざき・じん)。
家が隣同士で幼馴染の二人は、いつも一緒につるんでいた。
百太郎は、高校三年生で卒業も危うい状態なのに、進路について何も考えていなかった。
一方、仁は違っていた・・・。
ある日、長年の介護に疲れた夫が年老いた妻を殺すというニュースを見た二人。
「病院に入れたらよかったのに」と百太郎が言うと、仁は、
「病院は病人の入るところ。寝たきりは病気じゃないから入れない。老人ホームもどこも満員の上、お金がかかる。」
と冷静に答えた。
ある日突然、仁が学校を辞めると言い出した。
「必要のない高卒資格で半年棒に振るより早く現場経験を始めたい。
3年の実務経験で国家試験を受けられるから老人ホームで働く。
介護福祉士になる」
仁はさらに続けた。
「医療の進歩に、戦後のベビーブーム世代が加わって、日本は老人国になる。
高齢化社会となり、介護保険も始まり、老人介護は福祉の領域からビジネスになる。
営業しなくても人が押し寄せる、衰退しないビッグビジネスだ。老人介護は、不況の日本を救う産業だ。」
将来のことを何も考えていなかった百太郎は、親友の仁がそんなことを考えていたとは知らず動揺する。
上の空で歩いていると、車の走る道路をフラフラと歩いている老人を見つける。
よく見ると、老人ホームの名札を首からさげていた。
百太郎はすぐ老人ホームに電話しようとするも、手を離すとどこかに行こうとしたり、捕まえると噛まれ、それどころじゃない。
何とかごまかしながら、老人ホームまで無事送り届けた。
施設の従業員に、「痴呆老人を誘導できるなんてすごい」と言われた百太郎。
おじいちゃんは力強く歩いていたし、おにぎりも分けてくれから、痴呆があるなんて思いもしなかった。
おじいちゃんをおんぶしていた時におしっこをかけられた百太郎は、施設でシャワーを借りる。
着替えにと、施設のユニフォームが用意された。
実はこの老人ホームは、仁が勤務する予定の施設。
定員をはるかに超えた老人を扱う、特別擁護老人ホーム「あいらんど」だった。
百太郎は、仁と間違われたのだった。
そこへ本物の仁が現れる。
百太郎に気づいて驚いた仁は、「また俺のケツを追っかけてきたのか」とあきれる。
百太郎は、「俺は親友だと思ってたのに、仕方なく付き合ってやってるくらいにしか思ってなかったのか。だから介護の仕事のことも黙ってたのか」と怒り、仁と言い合いになってしまう。
突然、男性のうめき声が聞こえる。
百太郎が連れて来たおじいちゃんだった。
百太郎が部屋をのぞくと、おじいちゃんは転落などを防止するためにベッドの上で紐で縛られ、看護師に注射を打たれそうになっているところだった。
「無事だったら何をしてもいいのかよ!」と百太郎は怒り、紐をほどく。
その瞬間、嬉しそうな表情を浮かべるおじいちゃん。
けれど、その様子を見ていた主任から「何も知らないのに余計なことするな。お前が一晩面倒見てみろ。」と怒鳴られる。
百太郎はおじいちゃんと一晩一緒に過ごすことになった。
おじいちゃんは、所構わずおしっこをしたりうんちをしたり、いなくなったと思ったら、拾ったライターで火をつけようとしたり。
百太郎は手に負えなくなり、思わずおじいちゃんの口を手でふさぎ、紐でしばろうとする。
「大変なのは分かったけど、他に方法はないのか」と泣き叫ぶ百太郎。
家に帰った百太郎は、あんな世界見たくなかったと思いながらも、施設での出来事が頭から離れなかった。
そして、家にあった祖母の紙おむつを履き、おじいちゃんと同じように、弟に紐で縛ってもらう。
部屋に入ってきた母が、百太郎の姿を見て驚く。
百太郎は、
「体中がギシギシ痛い。肛門も膀胱もパンパンなのにおしっこもうんこが出ねえ。目がよく見えねえ。」
とつぶやく。
祖母が紐をほどくと、自然に涙が出てきた。
やっぱり縛っちゃいけない、でも縛らなきゃ仕方がない・・・
百太郎はどうすればいいのか、こんな将来が待っているのに人は何のために生きているのか、分からなくなる。
実際に自分が縛られてみて分かったことは、やっぱり仕方なくても縛ってはいけない、ボケていても寝たきりでも痛いし苦しいし悲しい、ということだった。
百太郎は、家族の前で、「老人介護の仕事をする!」と宣言。
そして、仁と同じ老人ホームで働き始めた百太郎。
失敗しながらも、普段何も言わない父の「男が一生の仕事を見つけたんならとことん突っ走れ」という言葉を胸に働き続ける。
百太郎は次第に介護の仕事にやりがいを見出していく。
くさか里樹の「ヘルプマン!」は、介護福祉士として働くこと、老人ホームの実態、過酷な現場の様子が分かる漫画だよ。
介護に関する用語の説明もあるから、老人介護、社会福祉の知識もつくよ。
痴呆のお年寄りは、何も分からないように見えるけれど、一人ひとりに心がある。
その気持ちを無視して、つい力づくで何とかしようとしてしまいがちだけど、どうして嫌がるのかを考えて対応すると、簡単に言うことを聞いてくれることもある。
どうしても言うことを聞いてくれない時は、1つのことに集中させる方法もある。
お年寄りには失礼かもしれないけれど、幼い子供と似ていることが多い。
介護の仕事は体力も精神力も必要だから、実際に働いてみたら想像とは違う・・・と辞めていく人も多い。
でも、老いは避けては通れないことだし、これからますます高齢化社会になる。
「ヘルプマン!」は、介護福祉士を目指している人もそうでない人にも、多くの人に読んでもらいたい漫画だよ。
施設に入っても老後を楽しく過ごさせてくれる、百太郎のような介護福祉士が増えるといいね。
介護福祉士の職業漫画「ヘルプマン!」について語る!
「ヘルプマン!」を読んで介護福祉士になった人、
介護福祉士を目指している人のコメントも待ってるね♪