国の仕事」カテゴリーアーカイブ

刑務官の漫画:「モリのアサガオ 新人刑務官と或る死刑囚の物語」  郷田マモラ

モリのアサガオ
 マン活王子の
 職業漫画書評点数!
 5
 4
 5
 この職業漫画は
 こんな人におすすめ♪
 ・拘置所がどんなところか知りたい  
 ・人生について考えたい
 ・仕事がつらい
 ・何をしたいか分からない
 ・人と向き合いたい
>>刑務官とは?

「モリのアサガオ」のあらすじ

大学卒業後、大阪市根古田区・なにわ拘置所の処遇部門に配属された、新人刑務官・及川直樹

刑務所での研修を終えたばかりなのに、いきなり死刑囚舎房に回されてしまう。
研修中、いつか社会復帰できる懲役囚にさえ手こずらされた直樹は、もっと悪質な犯罪者を相手にすることになり、気が滅入り逃げ出したくなるが、父の顔に泥を塗るわけにはいかないと歯を食いしばる。

直樹の父は、元拘置所長でキャリア組。
父のコネで刑務官になったため、直樹のことを悪く言う先輩刑務官もいた。

拘置所には、裁判の後に刑が確定されていない者と、死刑確定囚が収容されている。
直樹が配属された拘置所には、21人もの死刑確定囚がいた。
全員が殺人を犯した犯罪者。
そんな凶悪犯を管理するのが、刑務官としての直樹の仕事だった。

死刑執行は、朝の9時から10時の間に行われ、死刑確定囚は、当日予告なく連れて行かれる。
死刑確定囚たちはその時間を「魔の時間」と呼び、恐れている。
刑務官は、できるだけ死刑確定囚を怖がらせないよう、巡回の靴音にさえ気を使わなければならない。

全員が殺人を犯した死刑確定囚とは言え、それぞれ全く違う態度で日々を過ごしていた。

仏の貼り絵をしながら、いつか必ずくる死に怯えている世古
わがままを言い放題で刑務官を困らせてばかりの深堀
自分の罪を反省しているようには見えない石峰
被害者家族にお詫びの手紙を書き続ける香西など。

直樹は、深堀に、「自分がよく知っていた山本に似ている」と言われる。

死刑執行はいつも午前に終わるため、「朝早く咲いて昼までにくたばるアサガオと一緒だ」と死刑確定囚の一人、石峰けいは言う。

一時は世間を騒がせた犯罪者も、死刑確定後は、何を考えてどんな生活を送っているのか、外部には一切知らされていない。

死刑確定囚は二度と外には出られないけれど、思っていたよりも自由な生活を送っていたことに直樹は愕然とする。

刑務官という自分の立場を受け入れながらも、死刑確定囚は何を考え最期のときを過ごすのか、一体何が正しいのか、直樹は分からずにいた。
拘置所は町の中にあるのに、光が届かない深い森の中に迷い込んだようだった。

ある日、直樹の働く拘置所に、渡瀬満(みつる)が入所してきた。
満は、少年時代、一人の男によって、両親を殺され、夢見ていたプロ野球選手への道も閉ざされた。
そして犯人が出所するのを待ち、満は復讐をした。

直樹は、自分と共通点が多い満のことを人事だとは思えなかった。
誕生日も近く、同い歳。
直樹も満も10歳で野球を始めた。

直樹は満と向き合い、8年間という長い月日をかけて理解しあえたと感じていた。
だけど、そのたった一人の心を許せた親友でさえ、自分の手で葬らなければならない日が来る・・・。

郷田マモラの「モリのアサガオ」は、死刑という重いテーマを扱っている。
黒く塗りつぶされた目のイラストで、最初は少し怖い印象を受けるけれど、読み続けるうちに、人間の心の奥の声、魂の声が伝わってくる絵だよ。

有名な監察医の漫画「きらきらひかる」の著者でもある郷田マモラは、死刑囚の話を描くには、死刑制度に賛成か反対かを明確にしておかないとストーリーが変わってくる、と死刑に関する本をたくさん読んだ。
それでも結局答えは出なかった。
だからその「わからない」という思いを主人公の直樹に託して、漫画を描きながら「死刑」について考えることにしたと。

人の命を奪うことは決して許されることではないけれど、罪を犯した者にも人生がある。
一見、平和で裕福な日本でも、苦しい生活、つらい思いをしながら生きている人も少なくない。
誰もが生活に困らず、幸せな日々が送れるようになれば、犯罪が起こりにくい世の中になるんじゃないか、と考えさせられる漫画だよ。

⇒ 全巻チェックする!

刑務官の職業漫画「モリのアサガオ」について語る!

「モリのアサガオ」を読んで刑務官になった人、
刑務官を目指している人のコメントも待ってるね♪

裁判官の漫画:「家栽の人」 魚戸おさむ/ 毛利甚八


<◆「家裁の人」 あらすじ

家庭裁判所の判事・桑田義雄は、他の裁判官とは少し違っていた。
父親が高裁の長官で、桑田自身も優秀なのに、出世には全く興味がなく
家庭を大事にして転所も拒否。
大の植物好きで、昼休みには町を探索したり、花屋の店員も見習う程、植物に詳しくて植物を愛している。

「家裁の人」は、各話に植物の名前のタイトルがついていて、
その植物の育て方や性質が、登場人物の性格や問題の解決など、ストーリーに自然にからみあって、本当によくできた話だよ。

「冬を耐える気分もオツなもの
 乗り切れば、春の美しさがわかる」

「内側が傷つきやすいからトゲを持つ」

など、植物と人間社会がうまく溶け合っている。

桑田は、植物はかけた愛情に必ず答えてくれると言う。

裁判官の桑田が抱える案件は、離婚問題、少年事件、相続問題など様々で、
月平均500件近くの事件を抱えている。

家庭に根ざす問題が多いと、
離婚をする際の慰謝料を考える前に、離婚するに至った根本的な原因、
罪を犯した人に罰を与える前に、家庭環境など何が犯罪をおこさせたのか、
をはっきりさせることが、その人のためになると考えている。

「すべての人を幸せにすることなどできるわけない、
 失敗した人が、ほんの少し良くなる方法を考えてあげるのが僕らの仕事」
と日々依頼者のことを考えて、真剣に1つ1つの案件と向き合っている。

「当事者の言い分を聞いて、なんらかの結論を出すのが仕事で、
 私の出す審判はどちらかを勝たせたり負かしたりするものではない」
と言って、離婚問題を抱えている依頼者に、
「子供の幸せは争って与えるものではない」
「タイミングよく気を遣ってやれば、何でもスクスク育つ」
と植物をからめて助言する。

最近はモンスターペアレンツが多く、学校の先生が教育しにくい環境になっている。
でもいつの時代も子供に大きく影響を与えるのは家庭環境。
学校教育と家庭環境がバランスよくなれば、子供によい影響を与えられるんじゃないかな。

原作者の毛利甚八さんは、写真家、雑誌のライター、少年学院での面接委員を
されていたこともあって、そういった経験が作品に生かされいるんだと思うよ。

「家裁の人」は、一見難しそうな漫画に思えるけど、
すごく読みやすくて、何度も読み返したくなる、大切にしたい漫画だよ。

忙しい現代、ゆっくり植物とむきあう時間を持って、植物を大事にする心を育むと
リラックスできて何かよい答えも出るかもしれないね。

「木はどこへも逃げていけないから、そこで一生懸命花を咲かせる
 だからとてもきれいなんじゃないかな」
など、優しく諭してくれる桑田裁判官のような人に相談にのってもらいたいと思うよ。
「家裁の人」を読んで、こんな裁判官になりたい!と思ってくれる人が増えるといいな。

「家裁の人」は裁判官の仕事内容が分かるだけじゃなく、
悩んだときに答えをもらえるような、人に贈りたくなる漫画だよ。

⇒ 全巻チェックする!

>>裁判官とは?

◆マン活王子の職業漫画書評点数
  リアル度 ★★★★★
  モチベーション ★★★★★
  ストーリー性 ★★★★★
 
 
◆こんな人におすすめの職業漫画♪
  
  植物に興味がある
  癒されたい
  家庭がうまくいっていない  
  夢を追いかけている
  仕事で挫けそう

 

 

◆ 裁判官の漫画「家栽の人」について語る ◆

「家栽の人」を読んで裁判官になった人、
裁判官を目指している人のコメントも待ってるね♪

国税徴収官の漫画:「トッカン 特別国税徴収官」  姫神ヒロ/高殿円

トッカン
 マン活王子の
 職業漫画書評点数!
 4
 4
 5
 この職業漫画は
 こんな人におすすめ♪
 ・夢を追いかけている  
 ・公務員になりたい
 ・仕事で挫けそう
 ・自信をつけたい
>>国税徴収官とは?

「トッカン 特別国税徴収官」 のあらすじ

東京国税局・京橋中央税務署の徴収課に勤務する鈴宮深樹(すずみや・みき)。
深樹の仕事は、納税滞納者に取立てを行うこと。

やっと上司に一人前として認められて、一人徴収デビューする日がきたんだけど、相手はタチの悪いセレブ中年女性。
何度も差し押さえ予告書を送っても相談にさえこないから、家まで徴収に行くことになったんだ。

女性は自宅にいたものの、「帰れ!」の一点張り。
「国にしてもらってることは何もない」と支払う気が全くない。

初めての一人徴収で後に引くわけにはいかない深樹は、必死にくらいつくんだけど、女性にぬか床を投げつけられて倒れてしまう。

そこへ、上司の鏡雅愛(かがみ・まさちか)が現れる・・・。

鏡は、国税局から出向されてきた特別国税徴収官(通称トッカン)。
特別国税徴収官は、徴収の中でも特に悪質な事案を担当するスペシャリスト。

鏡は、高校卒業後すぐに普通科と呼ばれる研修に入り、そのままのしあがってきた、最短で難関の本科試験を突破したエリート。

仕事面では優秀だけど、深樹は、顔は怖いし口も悪くデリカシーも気遣いもない、と苦手意識をもっていた。

深樹は鏡から「ぐー子」とあだ名をつけられていた。
言いたいことをうまく言葉にできず「ぐ」とのみこんでしまうことが多いからだ。

徴収の仕事は、法律で定められた正しいことをやっているだけなのに、非難されることが多いし、本当にお金に困っている人にさえ徴収に行かなければいけない。

鏡は、「脱税は国民全員を被害者にする」と割り切っているが、深樹は葛藤しながら徴収の仕事をしている。

トッカン 特別国税徴収官」は、高殿円(たかどの・まどか)の小説が原作で、漫画化・ドラマ化(井上真央主演)された人気シリーズ。
テーマが税金の徴収ということで、難しそうな印象を受けるけど、少女漫画風のイラストで、女性でもすんなり入っていける、とっても読みやすい漫画だよ。

冷徹な鏡に、いつも一生懸命な深樹。
デコボココンビが見所の痛快お仕事漫画だよ。
⇒ 全巻チェックする!

国税徴収官の職業漫画「トッカン」について語る!

「トッカン」を読んで国税徴収官になった人、
国税徴収官を目指している人のコメントも待ってるね♪

公認会計士の漫画:「女子大生会計士」  左菱虚秋(さびしうろあき)/山田真哉

公認会計士の漫画:「女子大生会計士」  左菱虚秋(さびしうろあき)/山田真哉

◆「女子大生会計士」 のあらすじ

公認会計士の仕事は、主に、会社のお金の動きを調べて、間違っていたらなおすよう
指摘すること。
正しければ裏金や売り上げの嘘はないということ。

合格率約10%の難関の試験を受けて、合格すれば会計士補になれ、
その後2年以上の実務経験をつんで試験を受けて、ようやく公認会計士になれるという
長く険しい道なんだ。

新米会計士補「J1」・柿本一麻(かずま)は、2週間の研修後、いよいよ監査の現場に
デビューすることになった。
公認会計士は、医師、弁護士と並んで三大国家資格とも称される、
これで憧れの公認会計士に近づけると、現場に向かうバスの中でつい顔がほころぶ。

すると、近くにいた20代前後の女性に
「何人の顔見てニヤニヤしてるのいやらしい」
と言われてしまう。
誤解だと言う柿本に、ここであったのも何かの縁と
「長男?実家は金持ち?」
と質問攻め。

柿本があっけにとられていたらバスは競艇場に着いた。
慌てて降りていった女性。
柿本は、
変わってるな、見た目はかわいいのにもったいない、、と感じる。

柿本の初監査の現場は、繊維専門商社・万葉産業。
早速会社の中へ入ると、さっきバスで乗り合わせた女性が・・・。

紹介されたその女性は、なんと、柿本の上司、
主査(現場責任者)の藤原萌実(ふじわらもえみ)だった。
しかも驚くべきことに、現役女子大生だと言う。
萌実は気安く柿本のことを「カッキー」と呼んだ。

萌実は、史上最年少で合格して入所4年目。
優秀なだけあって知識量も豊富。
やっと会計士補になれたカッキーは、萌実のことを尊敬する。

公認会計士の仕事は大変で挫けそうになりながらも、萌実からもらえる「女子大生と合コンできるチケット」を
獲得するため燃えるカッキー。

最初は萌実のことをおかしな女の子と思っていたけど、企業の不正を暴いたり、普通の女子高生とは違う姿に
見方が変わっていく。
そんなカッキーも、萌実と共に色々な企業を調査する度に成長していくんだ。

「女子大生会計士」は、専門用語も分かりやすく説明してあるから、公認会計士の仕事に興味がない人でも読みやすいし、
公認会計士の仕事が分かっておもしろいよ。

⇒ 全巻チェックする!

>>公認会計士とは?

◆マン活王子の職業漫画書評点数
  リアル度 ★★★★☆
  モチベーション ★★★★★
  ストーリー性 ★★★★★
 
 
◆こんな人におすすめの職業漫画♪
  経営に興味がある
  夢を追い続けている
  仕事に全力を注ぎたい
  悪事は許せない
  お金の勉強がしたい

 

◆ 公認会計士の漫画「女子大生会計士」について語る ◆

「女子大生会計士」を読んで公認会計士になった人、公認会計士を
目指している人のコメントも待ってるね♪

司書の漫画:「夜明けの図書館」  埜納(ののう)タオ

◆「夜明けの図書館」 のあらすじ

3年間就職浪人した葵ひなこは、高倍率の中、ついに採用決定!
本と人を繋げる仕事、憧れの司書としてデビューした。

勤務先は、暁月(あかつき)市図書館。
ひなこは、早速「暁月」という地名の由来を調べたくなりウズウズしていた。

暁月市図書館の庶務・経理担当の大野皓(あきら)は、暁月市役所の一般行政職員。
司書資格は持ってないけど、物品・施設管理からクレーム処理まで仕事量はとても多い。
本当は本庁でバリバリ働きたいと思っているから、図書館勤務3年目になっても
図書館の仕事に魅力を感じられずにいた。
さらに、ギリギリの職員体制でリファレンスまでするのは過剰と言い捨てる。

司書の仕事内容には、本の貸し出し以外にレファレンスというサービスがあって、
利用者の知りたいこと、タイトルは忘れたけど読みたい本がある、など利用者にヒアリングをして、利用者が探している
書籍を見つけ出す仕事があるんだ。

司書資格を持ち好きな仕事をしているひなこは、リファレンスこそ司書の仕事と思っているから
大野とぶつかってしまう。

そんな中、ひなこは、子供時代の思い出、80年前の郵便局舎の写真が見たい、というおじいちゃんのために
郷土史コーナーで市史や地方の出版物を探し始める。

その間にもカウンターには貸し出しの利用者の列が・・・。
さらに、後で処理しようと置いておいた破れた本のデータを『修理中』としていなかったため、
利用者や同僚に迷惑をかけてしまうんだ。

ひなこは落ち込むけど、おじいちゃんが探している本のことを思い出す。
探してみたもののなかなか見つからない。
遠方から宿をとってきているというおじいちゃんに、明日までに調べさせてくださいと言い、
おじいちゃんが帰った後も探し続ける。

その途中、自分が調べようと思っていた、暁月の地名の由来がのっている本を見つける。
暁月の地名の由来は、
東が大きく開けている地形より古代から夜明け空が最も美しい国と言い伝えられたことによるものだった。

おじいちゃんが探している本が見つからず途方に暮れていたけれど
本はいつでも知る歓び、想像する愉しみを教えてくれて、さらに豊かな感情を持つことができる、
自分は人と本を繋げていきたいからここにいるんだ、簡単に挫けられない
とまた本を探そうとする。

その時、「夜通し探すつもり?」と同僚たちが現れる。
ひなこは、みんなの助けが必要だと素直に告げる。

ひなこの最初のリファレンスの仕事はどうなるか!?

リファレンスの依頼は次々あって、年配の女性からは、亡き父の残した手紙を読むためにくずし文字の本を探して欲しい、
嘘つき呼ばわりされている少年からは、自分の影が光ったことを友達に証明したい、遠距離恋愛に悩む女子大生からは、
満月の夜あかつき橋でふりかえると大切な人が消えてしまうという伝説の真相を知りたいなど、
その都度ひなこは真剣に利用者に向き合う。

司書の漫画、「夜明けの図書館」は、やわらかいふんわりとしたイラストで入りやすくて
自分のしたい仕事に就けたひなこのハリキリぶりから司書の仕事のおもしろさが伝わってくるよ。

インターネット社会になって、家にいても何でも調べられるようになったけれど
本の持つ温かさ、人との関わり、見つける喜び、知る喜びを、図書館ならもっと味わえる!と教えてくれる
素敵な漫画だよ。

⇒ 全巻チェックする!

>>司書とは?

◆マン活王子の職業漫画書評点数
  リアル度 ★★★★★
  モチベーション ★★★★☆
  ストーリー性 ★★★★★
 
 
◆こんな人におすすめの職業漫画♪
  人と関わる仕事がしたい
  調べることが好き
  本が大好き
  色々なことをしりたい
  人の役に立ちたい

 

 
                              >>司書とは?
 

◆ 司書の漫画「夜明けの図書館」について語る ◆

「夜明けの図書館」を読んで司書になった人、司書を
目指している人のコメントも待ってるね♪

司書の漫画:「図書館の主」  篠原ウミハル

司書の漫画:「図書館の主」  篠原ウミハル


◆「図書館の主」 のあらすじ

理想とは程遠い会社で働き、ギャンブルで借金まで抱えている宮本は
会社の忘年会で悪酔いし、二次会に参加せず帰ることに。

だけど、一人の家に帰りたくなくてフラフラ歩いていたら、夜遅いのに
電気がついている図書館を見つけるんだ。
「タチアオイ児童図書館」という看板が掲げられている。

不思議に思い、中に入ってみると、男性司書の姿があった。

これまで冷たい印象だった図書館が、温かくて心地よく感じた宮本は
男性司書に、「外は寒くて、、、」と話しかけると・・・

「失せろ 酒くさい!」
と一喝される。

この男性司書の名は、御子柴(みこしば)。
司書のイメージとはかなりかけ離れた態度だから、初めて読む人はびっくりすると思うよ。

宮本が、
「子供の本しかないんじゃ読むものもないな」
と言うと、
「開いた事もない本を馬鹿にするなど愚の骨頂だな!」
と怒りをあらわにする御子柴。

御子柴に「ただで暖まっていく気か」と言われ、宮本は片づけを手伝わされることに。
そして御子柴から片付けるよう手渡された本は、「新美南吉童話集」。
「聞いたことある名前だ」という宮本に、御子柴は「ごんぎつね」の作者だと。

宮本が何気なくその本を開くと、「うた時計」というタイトルに目が留まる。
心がざわつく。
読み進めると、自分と重なる部分が多い、、、。

「わざと渡したのか」と問いただすと、
「お前が本を選ぶんじゃない 本がお前を選んだんだ」
と言い捨て、御子柴はその場を去る。

次の日・・・
昨晩の夢のような不思議な出来事。
あれは幻の図書館だったのか?
宮本はもう1度、図書館のあった場所に行ってみることに・・・。

作品中に出てくる、「宝島」、「幸福の王子」などの児童書。
1冊1冊あらすじを紹介してくれるからその世界観にひたれて、その本が愛おしくなる。
子供のとき読んだ本でも、大人になって読むとまた違うとらえ方ができて
もう1度童話を読み返したくなるよ。

「利用者が求める本を渡せたときの喜びは何物にも代えられない」
「本を読んで欲しいと思うのが、読みたい本を探してくれるのが司書だろう
 そんな司書がいるのが図書館じゃないか」
など司書は尊い職業だと教えてくれる漫画だよ。

今は司書として就職しようと思っても、空きがなくて職に就くのは難しいみたいだけど、
最近は民間委託のところも増えて、司書の資格がなくても図書館員になれるようになったみたいだよ。
興味のある人は諦めず、アルバイトでも司書の仕事を実感してみて欲しいな。

司書にかかわらず、仕事を全うすることに意味があるんだろうね。
仕事の取り組み方次第で、誰にでもできる仕事じゃなくて、自分にしかできない仕事になる。

この仕事のプロになる!
この仕事をとことんやってやる!
と思えるような職業に出会えるといいね。

⇒ 全巻チェックする!

>>司書とは?

◆マン活王子の職業漫画書評点数
  リアル度 ★★★★☆
  モチベーション ★★★★★
  ストーリー性 ★★★★★
 
 
◆こんな人におすすめの職業漫画♪
  本が好き
  仕事の意義を見出せない・・・
  どんな仕事をしようか迷っている
  自分を見つめなおしたい
  

 

◆ 司書の漫画「図書館の主」について語る ◆

「図書館の主」を読んで司書になった人、
司書を目指している人のコメントも待ってるね♪

司書の漫画:「姉の結婚」 西炯子

司書の漫画:「姉の結婚」 西炯子


◆「姉の結婚」 のあらすじ

東京から帰ってきた40歳前の独身女性、岩谷ヨリ。
地元の図書館に勤務して3年が経った。
昼食を食べれないこともよくあるほど、図書館の仕事は忙しかった。

ヨリは話しかけにくいオーラをだしていて自分のことも話さないから、周りから不思議がられていた。
当の本人はあっけらかんとしている。
子供の頃から人と関わりを持つのが好きじゃなくて、図書館で本を読むことが幸せだったり、
一人でもあまりさびしいと思わなかった。

ヨリは人生を達観しているような、とてもサバサバした性格。
”女としての人生がそろそろ終わると考えると急に生きるのがラクになった”
”ため息ぐらいで逃げる幸せなら逃がしてかまわん”
普段あまり人と話さない分、漫画でこそ分かる、心の声がおもしろい。

ヨリには女性の嫉妬心やどろどろした部分がなくて、同姓に好かれるような女性。
でも過去の経験から無意識に気持ちをおさえているところがある。
大人の女性には共感できるところが多くて、感情移入しやすい漫画だよ。

毎日淡々と過ごしていたヨリに、人生が変わるような出来事が起こる。

一見何の関わりもなさそうな、イケメン精神科医・真木(まき)誠が、仕事の後向かった先は、
ヨリのいる中崎県立図書館。

ヨリは、真木が貸し出しをせず本を持ち出そうとしているのを見て、注意すると
これは自分の本だ、とちょっとした騒ぎになる。
ヨリがよく見ると、その本は図書館の蔵書ではなかった。
泥棒呼ばわりをされた代償に真木が求めてたものは・・・・。

ここからストーリーが急展開するんだ。
司書の話というより、ちょっとHな大人の恋愛漫画。

静かな人生を送るはずだったヨリが、人の心理を知り尽くしている精神科医の真木に出会ったことで
冷静でいられなくなっていく・・・。

最初は話がコロコロ変わって読みにくい印象を受けるけれど、
だんだん謎がとけていって、続きが読みたくなる漫画だよ。

漫画の中に出てくる
「図書館は最強のデータベースで最高の娯楽場」
という言葉どおり、図書館は1日いても飽きないほど様々な蔵書がある。
年齢を問わず一人でも楽しめるから、究極の娯楽場かもしれないね。

「姉の結婚」は、仕事だけじゃなくて恋愛にも力をいれたい人におすすめの漫画だよ。

⇒ 全巻チェックする!

>>司書とは?

◆マン活王子の職業漫画書評点数
  リアル度 ★★☆☆☆
  モチベーション ★★★☆☆
  ストーリー性 ★★★★★
 
 
◆こんな人におすすめの職業漫画♪
  恋愛がしたい
  やる気が出ない
  気分転換したい
  変化のない毎日を過ごしている
  人の心が知りたい

 

◆ 司書の漫画「姉の結婚」について語る ◆

「姉の結婚」を読んで司書になった人、
司書を目指している人のコメントも待ってるね♪

山岳救助隊員の漫画:「岳(がく)」 石塚真一

山岳救助隊員の漫画:「岳(がく)」  石塚真一


◆「岳」 のあらすじ

常に危険と隣り合わせの職業、山岳救助隊。

石塚真一の「岳」は、遭対協のクライマー、少し変わっている島崎三歩(さんぽ)が、
厳しい山で遭難した人々を救助するお話。

※ 遭対協 : 山岳遭難防止対策協会 (民間の救助ボランティア)

ある日、転落して遭難したのは、47歳の会社員・黒岩。
これまで真面目に仕事に取り組んできたけれど、後輩にも追い抜かれ、なかなか
昇進できずにいた。
死を直前にしてもそのことが頭から離れない。

こんなはずじゃなかった、このままでは死ねない・・・

そう思った時、目の前に三歩が現れる。

骨折して思うように動けない黒岩の救助が始まる。

サラリーマンは昇格しないとダメだと思っていた黒岩は、
自分とは全く違う三歩、救助中に見えたきれいな夕日に心を動かされる。

人にふりかかる困難は、そのときはとても大変だけど、自分にとって意味のあることが多いよね。
きっとその困難を乗り越えたら成長できるってことなんだろうね。

山岳救助隊は、雪崩に埋もれた人を、ビーコンという発信機で探すんだ。
いくら訓練をつんだ山岳救助隊でも、ビーコンがないと雪崩の中からは見つけ出すことはできない。

雪山は雪崩の他にも落雷など危険がいっぱい潜んでいる。
山に登る時は、きちんと知識をつけて、山岳救助隊の人達に迷惑をかけないようにしなきゃいけないね。

三歩は自分の身も危険にさらされながら命がけで救助しても、決して登山者を怒ることはしない。
笑顔で、また山に来て欲しいと言うんだ。

長野市北部警察署で、訓練をつむ新米・山岳遭難救助隊員、椎名久美は、
どうして三歩がこんなに山を愛しているのか理解できないでいた。
でも三歩と行動を共にするうちに、山に対する気持ちが変わっていくんだ。

作者自身も実際に何度も山に登っているから、雪山の恐ろしさが忠実に描かれているよ。

第1巻が発売された当初は、作者は単行本化されたこと自体信じられなかったようで
コミックで読者に感謝を述べているけれど、その後、第1回マンガ大賞など数々の賞を受賞、
今や映画化されるまでの人気作品になったよ。

石塚真一の「岳」は、山のことを知らない人でも読みやすくて、多くの人が山の厳しさ、
素晴らしさを知るきっかけになったよ。

そしてこういうよくできた漫画を読むと、漫画の素晴らしさも感じさせてくれる。

子供に悪影響な漫画もあるかもしれないけれど、漫画で得られる知識は多いから、
お母さんは、ただ「漫画はダメ!」と言わずに、よい漫画を選んで子供に読ませてあげて欲しいな。

⇒ 全巻チェックする!

>>山岳救助隊員とは?

◆マン活王子の職業漫画書評点数
  リアル度 ★★★★★
  モチベーション ★★★★★
  ストーリー性 ★★★★★
 
 
◆こんな人におすすめの職業漫画♪
  山を愛している
  人を救う仕事がしたい
  仕事がうまくいかない
  毎日がつまらない
  人生観を変えたい

 

◆ 山岳救助隊員の漫画「岳」について語る ◆

「岳」を読んで山岳救助隊員になった人、
山岳救助隊員を目指している人のコメントも待ってるね♪

海上保安官の漫画:「海猿」  佐藤秀峰

海上保安官の漫画:「海猿」  佐藤秀峰

◆「海猿」 のあらすじ

台風で横転しそうな一隻の船・・・。
しかし、船長は何かを隠そうと、なかなかSOSをしようとしない。

その頃、新人海上保安官(航海士補)・仙崎大輔(せんざきだいすけ)は、
巡視船・はかたのお披露目式の取材にきていた、
新米新聞記者・浦部美晴と出会う。

美晴は、念願叶って、毎朝新聞の記者になったものの、就職した途端、すぐ九州へ転勤となった。
毎日つまらない仕事ばかりで、早く彼氏のいる東京へ帰りたがっていたんだけど
大輔と出会ったことで、美晴の人生が変わっていく。

一方、舵がきかなくなって漂流した、中国船籍・鳳来号から
ついに巡視船・ながれへ出動要請がある。

大輔は海難事故の怖さをしらず、初レスキューだとはりきる。

たまたま巡視船・ながれのトイレを借りていた美晴を乗せたまま、船は出航。

大輔達が現場に着くと、漂流船は炎上していた・・・。

死と隣り合わせの状況に、恐怖で震える大輔。
でも目の前の人命救助のため、沈没寸前の船に飛び乗るんだ。

何とか風来号の乗組員全員が救助されたんだけど、大輔だけが戻ってこない・・・。

大輔は、地下に閉じ込められていた数名の中国人を見つけたんだ。

二次災害の恐れもある中、命がけの救助が始まる・・・。

ドラマ化、映画化もされ話題となった「海猿」。
勇敢に立ち向かう大輔の姿に心揺さぶられる、海上保安官の仕事がよく分かる漫画だよ。

⇒ 全巻チェックする!

>>海上保安官とは?

◆マン活王子の職業漫画書評点数
  リアル度 ★★★★★
  モチベーション ★★★★★
  ストーリー性 ★★★★★
 
 
◆こんな人におすすめの職業漫画♪
  一人でも多くの人を救いたい
  正義感がある
  海が好き
  勇気が欲しい
  元気が欲しい!

 

◆ 海上保安官の漫画「海猿」について語る ◆

「海猿」を読んで海上保安官になった人、
海上保安官を目指している人のコメントも待ってるね♪