外交官の漫画:「憂国のラスプーチン」 佐藤優/長崎尚志/伊藤潤二
ラスプーチンとは、ロシア・シベリア出身の預言者であり、民間医であり、
カルト教団の教祖であった人物。
20世紀の初めに、治療や祈祷で多くの人を救い、血友病の皇太子を持つロシア皇帝夫婦に
宮廷に呼ばれて、絶大な権力を得た。
だけど、女性関係、贅沢な生活、政治に大きく関わるようになったことから、忌み嫌われ、
暗殺されてしまった。
多くのロシア人が、ラスプーチンは、国家を崩壊させた売国土(ばいこくど)だと言った。
2002年、東京都港区。
外務省・外交史料館で、一人の男が東京地検特捜部に逮捕されようとしていた。
彼の名前は、憂木衛(まもる)。
外交官として国益だけを考えてきたはずなのに、
一介の主任分析官だった衛が、国家を騒がす大悪人として、新聞に取り上げられた。
新聞には大きく
「背任容疑で外務省のラスプーチン 今日にも身柄拘束」
と書かれていた。
多くの検察が、衛の前に現れ、背任という罪名で逮捕されてしまった。
衛が、イスラエル国で開催された国際学会「東と西の間のロシア」に出席するための費用を
後藤明と共謀し、支援委員会から引き出し3300万円の損害を与えたと言うのだ。
いくら衛が無実を訴えても聞き入れてもらえなかった。
どうしてこんな目にあうのか、衛には理解できないでいた。
検察の狙いは外務政務次官・都築(つづき)峰雄。
都築の傍にいる衛から落とそうとしていたのだ。
世間から嫌われている都築だけれど、衛は子供のような飾らない都築を
誤解は受けやすいけど立派な人だ、と慕っていた。
都築を売ることはしない、
都築大臣より前にお待ちし、都築大臣が出られてから拘置所を出る
と心に決めていた。
そんな衛は、高村という優秀な検事の執拗な取調べに、心が折れそうになっていた・・・。
原作者の元外交官・佐藤優の実体験を元にエリート検事との闘いがリアルに描かれた漫画だよ。
◆ 外交官の漫画「憂国のラスプーチン」について語る ◆
「憂国のラスプーチン」を読んで外交官になった人、
外交官を目指している人のコメントも待ってるね♪